第9幕 在宅介護 コラム ~認知星人じーじ~
わが家のじーじは、アルツハイマー星に住む認知星人。
認知星人のスイッチが入ると一つの事に固執します。今日の固執は、「リハパン」。
今朝は、6時からほぼ、20分間隔でトイレに行き、そのたびに「リハパンを取り換えて
ほしい」と訴える。別に失禁しているわけでもなく、リハパンはきれい。
しかし、取り換えてあげないときっと怒るし・・・「認知症の方に対しては、否定をし
てはいけません」という法則があるので、「汚れてもいないのに何度も履き替えてもっ
たいな~。1枚いくらすると思ってんだよ~」と心の中で思いつつ、笑顔で応じる私ってお釈迦様!
しか~し、何回取り換えてあげても、トイレから出てくると「リハパン取り換える」と言うしまつ。ついに、イラッときたが、優しい口調で
私「さっきとりかえたから大丈夫じゃないかな~」
と言ってみたとたん
じーじ「リハパンぐらい好きに取り換えさせてくれないなんて、オレに死ねと言うのか~」
私の心の声「しまった・・・認知星人に変身中だった」
認知星人に変身中のじーじは、自分の欲求が通らないと大声を出して怒りだすし、
何故か頭を抱えて「オレに死ねというのか~」と言い出します。
そこで、ぴかっとひらめいた。
そうだ!取り換えた事実を忘れるのが認知症だった。
それならば、目から情報を入れて本人に納得してもらうことに作戦変更!
リハパンに「朝とりかえたよ」と書いて、そのリハパンを履かせてみた。
20分後、効果てきめん!トイレから出てきたじーじは、なにごともなかったようにソ
ファーに座り、テレビを見てる。
トイレでリハパンに書いてある文字を読んで、納得したらしい。
よっしゃ~、作戦成功。
その後もトイレには行きましたが、「リハパンを取り換えて欲しい」とは言わず、元気にデイサービスへご出勤(わが家では出勤と呼んでいる)。
介護は工夫次第で楽しくなる!を実践中!
【リハパン】排泄のコントロール時のリハビリ時に使用することから、
通称リハビリパンツ。略して「リハパン」と呼ばれている。
紙おむつのパンツタイプ。排尿5回相当分の吸収力がある。