在宅介護 認知星人じーじ 介護実践録 ~一日一笑~

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第15幕 在宅介護 コラム ~認知星人じーじ~

わが家のじーじは、アルツハイマー星に住む認知星人。地球人の時はいたって普通の91歳。認知星人のスイッチが入ると、認知星人に変身する。今回は、被害妄想星人。

 ある日、テレビを見ながらウトウトとしていたら、なにやらじーじの声が聞こえる。家中を探してもじーじの姿を見えないが、声は聞こえる。玄関を見るとなんとじーじの靴がない!声の行方を捜すと裏のおばちゃんの家から聞こえるではないか。よくよく耳を澄ましてみると「れーこにいじめられている~、れーこにいじめられている~」とじーじの声。

 

ま!待ってよ。いじめてないし、人様の家にまで行って何を言っているのよと焦る私。

 

どうやら、昼食時に「ビールが飲みたいと」言ったじーじに、「夜まで待っててね」といった一言が気に入らなかったらしい。じーじの頭の中では、ビールが飲みたい+夜までお預け=れーこがいじめる。という方程式が出来上がったようだ。

 

しかし、今、じーじを呼び戻しに行くと、じーじのプライドを傷つけることにもなるので、2階の窓からおばちゃんに気が付くように手を振り、誤りのポーズを繰り返すこと数分。私に気づいたおばちゃんはOKマークで答えてくれた。

 

数十分後、じーじは何事もなかったような顔で戻ってきたあと、しばらくするとソファーに座って高いびき。その隙に私はおばちゃんの家に行き、お礼&お詫びに。やっぱり、「れーこにいじめられている」の原因は、ビールを飲ませてくれないだった。トホホ!

 

わが家は、袋小路の突き当りにあるため、家を出る時も、帰ってくる時も、この家の前を必ず通化する。お天気の良い日には、お庭にいることが多いこの住民さん。じーじや娘の出入り(外出・帰宅の様子)もよく見ていてくれているので、私は密かに愛情をこめて「関所のおばちゃん」と呼んでいる。

 

数年間、脳梗塞を起こし、畑で倒れていたじーじを発見し、救急車を呼んで下さった命の恩人でもある。認知症になってからは、何度か無断外出を試みるじーじを発見し、通報してくれるなど、それはそれはわが家にとって素晴らしい功績の持ち主なのである。

「いつでも見張っててあげるから、安心してな」と言ってくれる「関所のおばちゃん」ありがとう!