在宅介護 認知星人じーじ 介護実践録 ~一日一笑~

福祉、介護、ほんわか、癒し、笑い、気付き、知識、本、感想等々を更新していきます!できるだけ、おもしろく、読みやすく(*^-^*)

第11幕 在宅介護 コラム ~認知星人じーじ~

わが家のじーじは、アルツハイマー星に住む認知星人。

じーじは「俺に死ねというのか~」と言うと、何でも願が叶うと

インプットされたようで、何かあると、このフレーズを連発する。

 

先日も、瞬間接着剤が家にないことが解った瞬間「俺に死ねというのか~」

と言い出して大騒ぎするので買ってきた。急いで買ってきたのに、

願いが叶って満足したのか、瞬間接着剤を机の上に放置したままこの日はご就寝。

 

翌朝、「瞬間接着剤を買ってこい」とじーじ。

私「昨日買ってきたでしょ。机の上においたよ」

と言ったものの、昨晩置いてあったはずの瞬間接着剤が見当たらない!どうやら、夜中

に起きてどこかにしまったものの、しまった場所を忘れたらしい。

 

じーじ「瞬間接着剤がないと、飯が食えないんだ、俺は飯を食ってはいけないのか、俺

に死ねというのか~」

 

そりゃ~、ご飯を食べなきゃ死んじゃうけど…

 

飯が食えない?だから瞬間接着剤?なに?なに?私の頭の中は疑問でいっぱい。そこで

恐る恐るじーじに聞いてみた。

 

私「瞬間接着剤って何に使うの?」

 

じーじ「入れ歯だ」

 

私「入れ歯?」

 

じーじ「そうだ、あのオレンジの容器に入った瞬間接着剤は、なんでもくっつけること

ができるからな。前から俺が使っていたやつだ。だから、早く買ってこい」

 

あっちゃ~。どうやら、入れ歯接着剤が欲しかったらしいが、入れ歯安定剤を瞬間接着

剤と思い込んでいるらしい。瞬間接着剤を入れ歯に塗って口にはめられたら大変なこと

になる。

 

 

・・・ひらめいた。

 

 

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」山本五

十六じゃあないけれど、瞬間接着剤を入れ歯につけたらどうなるかを実演することに。

幸いわが家には何かの時のために、合わなくなった入れ歯が3つもある。さっそく、探

し当てた瞬間接着剤を使って実演しようとした瞬間。

「お?これじゃないぞ、俺が欲しかったのは、ピンク色のクリームが出てくるやつだ」

とじーじ。

 

それは、入れ歯安定剤だよと言うと、「そんなことはない、瞬間接着剤だ」と言い放っ

てニヤリと笑うその姿、間違いを笑ってごまかすじーじであった。